事業計画

下水処理水の再生利用で都市河川を清流に

沖縄県下には、県管理の2級河川が51水系75河川があるが、いずれも親水性のある空間としての利用には程遠く、河川の汚染で悪臭がぷんぷんしていたが、近年は改善しているとはいえ、けっして親水空間にはほど遠い存在にかわりはない。

本来河川管理は、人々にとって憩いや潤いを与える水辺空間として、みんなの共有財産であるはずだ。

集中豪雨時に雨水を速やかに海に流出させ、洪水被害を防止する治水機能を保全するとともに、地域住民が水に親しむ空間として良好な現状を保全するための管理を行う必要があるが、国場川や安謝川などの都市河川は人が近づける水辺空間とはほど遠い、人間を近づけることさえ危険な状態である。

この都市社会の住民が、それらの河川に親しめる空間として利用促進を図るためには、河川の浄化を徹底して清水が流れるような環境を政策として持ち出し、さらに技術的に確立することである。

これまでも沖縄県においては、下水道資源の有効利用が図られてきたが、その概要について沖縄県が平成20年度に発行した沖縄県の下水道を引用する。

下水道は、これまで一般家庭や事業所等からの排水を処理し、雨水を排除することにより、都市の健全な発達、公衆衛生の向上及び公共用水域の水質保全に関して重要な役割を果たしてきた。

沖縄県においては、近年では下水道処理人口普及率が約6.5割となっており、これまでの役割に加え、下水道資源の有効利用が注目されている。

第2次沖縄県社会資本整備計画においても、環境への調和と循環型社会の構築を図ることから下水処理水及び下水汚泥の有効利用が位置づけられている。

このような観点から、下水道資源の有効利用の事業制度については、下水汚泥のコンポスト化、ガス発電等の下水道事業や従来の下水道モデル事業を再編し、拡充することを目的として平成11年度に創設された新世代下水道支援事業制度がある。

新世代下水道支援事業は、良好な水環境の維持・回復、リサイクル社会構築への貢献、情報化社会への対応等、下水道に求められている新たな役割を果たしていくために実施するもので、水環境創造事業、リサイクル推進事業、機能高度化促進事業の3事業から構成されている。

沖縄県の下水処理水については、し尿処理希釈水、道路散水、農業用水等に有効利用されている。

また、下水処理水を高度処理し、大型建築物のトイレ洗浄用水等に再利用する水環境創造事業(水循環再生型)が沖縄県と那覇市の共同で実施されている他、高度処理した処理水を公園内のせせらぎや修景用水として有効利用する(旧)アクアバークモデル事業を糸満市が、(旧)アピール下水道事業を名護市がそれぞれ実施している。

下水汚泥の有効利用に関しては、県内発生汚泥のほとんどがコンポスト化され緑農地還元されている。

再生水利用に関する事業については、沖縄県は、国際都市、観光立県を目指しており、豊かな自然環境の保全や安定した水資源を確保して、渇水のない地域社会をつくることを大きな目標に掲げている。

水は貴重な資源である。まちの中に安定して存在する下水処理水は、まちでつくることができる数少ない水資源であり、有効利用していく必要がある。

その処理水の一部を高度処理し、新しい水資源としてトイレ洗浄用水や散水用水などの雑用水へ有効に利用する事業を沖縄県と那覇市が共同で実施している。

この事業は、那覇浄化センターから那覇新都心地区を中心とした地域に再生水を供給している。

沖縄県と那覇市が事業主体となって、平成10年度から平成21年度にかけて総事業費20億2,400万円を投じて下水処理水を高度処理したうえ、那覇新都心地区の大型商業ビルなどのトイレ洗浄用水や公園の散水などに、日量1,360トンの施設を整備し、下水処理水の有効利用が図られている。

現在1日平均29万トンの下水道処理水が海に放流されているが、その下水処理水をポンプアップして、EM菌で殺菌して浄化し、それを都市地区を中心とする2級河川に放流することで、清流がよみがえることになる。

また、2級河川を浄化することだけではなく、この浄化した下水道を河川沿線の随所にため池を整備し、このため池に下水処理水を導入し、周辺の農業用水として活用を図るとともに、ため池周辺を緑花して公園化することにより、潤いと安らぎのある空間として、地域住民の交流拠点として活用する。

ため池には川魚を放流して、釣りが楽しめるよう整備することにより、下水処理の有効活用が図られることになる。

平成20年度における1日当たりの沖縄県の取水量は43万3,200トンで、そのうち、国管理ダム25万8,400トンで、全体の59.6パーセント、河川水が8万1,000トンで18.5パーセント、倉敷ダム4万7,000トンで9.6パーセント、企業局管理ダム1万5,100トンで、3.5パーセント、地下水2万2,500トンで5.2パーセント、海水の淡水化で1万5,500トンで3.6パーセントとなっており、現在建設中の大保ダムの完成により、沖縄本島内での新たなダム建設計画はなく、これから人口が増え、観光客が増加するとコストの高い海水の淡水化に頼らざるを得なくなるが、その前に下水道処理水を各家庭の水洗トイレや洗濯用水、都市公園等の散水に利用することになれば、新たな水資源開発を極力抑えることが必要である。

沖縄県の発行した小学生用の「私たちと水」によれば、家庭において最も水の使用量が多いのは、水洗便所が28パーセントで、第1位、第2位が風呂、シャワー、手洗いが24パーセント、洗濯が4位で16パーセント、第5位の洗車、散水、その他は9パーセント、第3位の食事関連は23パーセントだが、この第3位の食事関係については、下水処理水の利用は困難で、その他は下水処理水での利用が十分である。

この家庭における水の利用についても、下水処理水をさらにEM菌で殺菌して利用するという方法を利用すれば、今後の水需要の増大にも十分対応できることになる。

EM菌開発者の比嘉照夫琉球大学名誉教授と私(仲里)は、このほど約3時間に及んで対談したが、比嘉先生は、下水処理水はEM菌を活用したいとの申し入れがあれば、それに十分対応する用意があるということであるので、いずれ、関係機関と基本的な事業展開に結びつくような時間をセットするなどの機会をつくりたいと考えている。

万国津梁機構

概要

万国津梁機構は、人類愛に満ちた平和で豊かで明るい沖縄県の県土づくりを目指します。

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